「なぜ涙が出たのかよく分からない。この舞台に立った事が…」フィギュア・スケート金メダリストのキム・ヨナ選手が、先日行われた世界選手権大会の直後に明らかにしたコメントだ。ふと「北朝鮮の選手なら…」という疑問が聞いたが、答えは明白だった。
おそらく「将軍様の大きな信頼があったから、この席に立つことができた」と言わなければならない。国を代表する選手ではあるが、自分の感想を自由に表現することが出来る韓国と、国が承認した言葉だけを発言出来る北朝鮮との違いである。
北朝鮮では言葉や行動には必ず『党と首領』を最優先に考慮しなければならない。個人が収めた成果でも、将軍様(金正日)への信頼があったからこそ可能なことだと体制の宣伝に使用される。記者会見などで金正日の名前に言及しないなら、当人の突出した才能とは関係なく批判を受け、最終的に人生が奈落の底に落ちることになる。