北朝鮮国民が新型コロナ対策で手を伸ばす「危険ドラッグ」

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「防疫当局が新型コロナウイルスの予防策としてマスク着用を強調し、市場では様々な種類のマスクが登場した。予防効果が検証されていない国内(北朝鮮)製のマスクは3000北朝鮮ウォン(約36円)、中国製は7〜8000北朝鮮ウォン(約84〜96円)、質のいいことで噂の韓国製は1万2000北朝鮮ウォン(約144円)以上で売られている」

これは、北朝鮮の首都・平壌の情報筋が、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に伝えた、市内の市場の様子だ。

「覚せい剤」が値上がり

日本や韓国で中々マスク不足が解消しないのとは対象的に、北朝鮮ではマスクの供給が安定している。デイリーNKの内部情報筋は、対外経済省系の貿易会社が、国のお墨付きを得た密輸で中国からマスクを取り寄せていると伝えたが、この一部が横流しなどで市場に流入し、潤沢な供給を下支えしている可能性がある。

(参考記事:北朝鮮のマスク供給安定、その秘策は「国主導の密輸」

一方で、RFAの平壌の情報筋は、マスク供給が安定していることには別の理由があると説明した。市民がマスクへの関心が低く、市場で売れていないというものだ。

「市場でマスクがあまり売れないのは、住民が新型コロナウイルスの感染経路をきちんと認識していないせいだ」(情報筋)

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国営メディアは毎日のようにマスクをしろと宣伝している。朝鮮労働党機関紙の労働新聞は先月22日の紙面で、「今のような非常時にマスクを着用しないのは国に罪を犯すほどの深刻な社会的、政治的問題になる」と半ば脅迫するような記事を掲載した。

さらに、1月末から行われている国境封鎖令を破り、中国人と接触したりした人を処刑するという「劇薬」を使っている。

(参考記事:発熱症状を隠した男性を処刑…北朝鮮「新型コロナ」対策の過激度

それにもかかわらず、マスク着用への関心が低いのは当局の隠蔽体質のためだというのが、情報筋の説明だ。

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「新型コロナウイルスへの感染が疑われる人が多いのに、当局が正確な患者、感染者の数字を明らかにしないので、住民は新型コロナウイルスにさほど敏感な反応を示していない。食べていくのがやっとの一般住民は、食べ物を買い、マスクにはさほど関心を持たず、食糧価格にしか関心がない」

マスク価格は安定している一方で、食糧価格は高騰しているとのことだ。

一方、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は、現地でとんでもない噂が流れていると伝えている。

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「一部の住民は、新型コロナウイルスの予防には『オルム』がもっと効果的という呆れた主張をしている」

「オルム」とは覚せい剤のことだ。今以上に医薬品が不足していた時代、覚せい剤は万病に効く薬として広く使われていたが、それが「感染を防ぎ、免疫力を高める」との噂となり、覚せい剤の価格が上昇するという事態になっている。本当に必要なマスクの値段はむしろ下落傾向にあるとのことだ。

(参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち

やはりここでも、当局の隠蔽体質が問題を引き起こしていることが現れている。

「新型コロナウイルスの感染者と死者の数が発生した地域の住民に、新型コロナウイルスについては何も話すなとの中央の指示が下された。当局が故意に患者と死者の発生を隠蔽していると考えている住民は、マスクよりも食糧や解熱剤などの薬を準備する方が効果的と考えているようだ」(情報筋)