菅義偉官房長官は13日の記者会見で、スイス・ジュネーブで開かれている国連人権理事会に対し、北朝鮮の人権侵害に対する非難決議案の提出を見送る方針を表明した。日本は2008年から昨年まで11年間、非難決議案を欧州連合(EU)と共同提出してきた。
(参考記事:北朝鮮「核の暴走」の裏に拷問・強姦・公開処刑)提出を見送る理由について菅氏は、「(2月末の)米朝首脳再会談の結果や、拉致問題を取り巻く諸情勢を総合的に勘案した結果だ」と説明。さらに拉致問題の解決に向け、日本が主体的に取り組む必要性を強調した。
安倍晋三首相は拉致問題の解決に向け、日朝首脳会談の実現を目指す姿勢を示しており、今回の方針転換には北朝鮮側の態度軟化を促す狙いがある。