北朝鮮外務省は12日、北東部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)豊渓里(プンゲリ)の核実験場を廃棄する行事を23日から25日の間に気象条件を考慮しながら行うとする公報を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。
核実験場の廃棄について公報は、「核実験場の全ての坑道を爆発の方法で崩落させ、入り口を完全に閉鎖した後、地上にある全ての観測設備と研究所、警備区分隊の構造物を撤去する順次的な方式で行われる」と説明。あわせて「核実験の廃棄と同時に、警備人員と研究者を撤収させ、核実験場の周辺を完全閉鎖する」との方針も示した。
また、核実験場廃棄の透明性を示すため、「国内のメディア機関はもちろん、国際記者団の現地取材活動を許容する用意がある」と表明。核実験場が狭いため、国際記者団は中国、ロシア、米国、英国、韓国の記者に限定するとした。東海岸の元山(ウォンサン)にプレスセンターを設けるほか、核実験場への移動のため特別専用列車を編成するなど便宜を図るという。
北朝鮮は4月20日の朝鮮労働党中央委員会第7期第3回総会で、北部核実験場の廃棄を決定。また金正恩党委員長は同27日に行われた南北首脳会談で、北部核実験場を5月中に閉鎖すると表明し、透明性を確保するため米韓の専門家やメディアを招く意向を示していた。