朝鮮人民軍(北朝鮮軍)と農民達が熾烈な「コメ争い」を繰り広げているとデイリーNKの現地情報筋が伝えてきた。軍当局は、穀倉地帯の黄海北道(ファンヘブクト)の協同農場からコメを大量に徴発しようとし、それに反発した農民はコメを盗んで抵抗しているという。
情報筋によると、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の平壌防衛司令部(91訓練所)の兵士が道内の黄州(ファンジュ)郡の各協同農場に、大勢押しかけて軍向けの「軍糧米」、平壌向けの「首都米」と称しながらコメを差し押さえた。一粒たりとも盗まれないように、田んぼから脱穀場に至るまで、24時間警備しているという。
北朝鮮当局は、穀倉地帯で収穫されたコメを平壌市民に配給するために、周辺地域の農場から徴発する。安定的にコメを配給することで、体制への忠誠心を高めるのが狙いだが、これに対して農民は怒りを露わにしている。