当局は地元民に供出させた穀物や古着を孤児院に送り、運営している。そのおかげでコチェビたちはトウモロコシ飯ながらも、1日3食をきちんと食べさせてもらえているという。しかし、教育施設がなく、畑仕事に駆り出されている。
(参考記事:ストリートチルドレンから「半グレ」へ…北朝鮮コチェビの今)情報筋によると、いずれ中朝関係が改善し、中国人観光客が増えれば増加したあかつきには、孤児院をリフォームして観光名所にし、体制のプロパガンダと投資の誘致に利用するという極めて悪趣味としか言えない計画があるという。
北朝鮮では近年、コチェビが成人して徒党を組んで犯罪に走ったり、犯罪組織に取り込まれたりする例が増えていると言われている。
(参考記事:【実録 北朝鮮ヤクザの世界】28歳で頂点に立った伝説の男)高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。