そのような証言の掘り起こしは、主に民間団体やメディアが担ってきた。しかし北朝鮮人権法が成立したことにより、ようやく韓国政府が動き出したのである。
今回リストアップされた加害者のほとんどが、国家保衛省(秘密警察)と人民保安省(警察庁)所属の人員だ。被害の事例は暴行、拷問にとどまらず、強姦などの性犯罪、強制妊娠中絶など人道に対する罪も含まれている。法務省は加害者の名前、所属機関に加え、モンタージュ写真まで確保している。
このようなデータは、いつか北朝鮮の体制が崩壊するようなことがあれば、その後に行われることになる刑事訴追の基礎的な証拠として活用される。いわば人権犯罪者の「手配書」のようなものだ。