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両江道(リャンガンド)の情報筋によると、市の人民委員会(市役所)や洞事務所(末端の行政機関)は「屋根の現代化を早急に行なえ」と大騒ぎしている。しかし、葺き替えは遅々として進んでいない。多額の費用がかかるからだ。

屋根の葺き替えにかかる費用は、居住者が塗装と工事を行う場合で1平米あたり中国人民元で15元(約260円)、市場で完成品を購入した場合で1平米あたり40元(約690円)。平屋建ての家1軒の屋根をすべて葺き替えれば、1200元(約2万円)もかかる。

ちなみに、今年9月末時点でのコメ1キロの価格は概ね6100北朝鮮ウォン(約79円)、平均的な4人家族の1ヶ月の生活費は50万ウォン(約6500円)。そんな大金を用立てるのは決して容易ではない上に、経済制裁のせいで生活が苦しい。そんな状況下で屋根の葺き替えを強要すれば、経済制裁の効果をむしろ高めてしまう可能性さえある。

(参考記事:経済制裁でいよいよ「困窮に直面」し始めた北朝鮮国民の生活

当局は昨年4月にも、全国の工場、企業所に対して「社名の入った表札を照明付きのものに取り替えよ」との指示を下したが、これも見栄っ張り政策の一環だ。