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「(電話帳は)誰でも見られるものではない。逓信所(電話局)にあるが、所長や幹部ではなければ閲覧できない。電話番号がわからなければ所長にワイロを渡して電話帳を見せてもらう」

パクさんはそもそもこの世に電話帳なるものが存在することを知らず、他の一般庶民も存在を知らないだろうと語った。パクさんが電話帳の存在を知ったのは、結婚して平壌に移住した友人の夫が病気になったと伝え聞き、何とか電話をかけて慰めてあげようと、人に方法を尋ねたことがきっかけだったという。

また、パクさんは仕事で、自宅のある会寧(フェリョン)から、羅先(ラソン)の噴水台運送事業所に頻繁に電話をしていたが、警備員にワイロを渡して工場の電話を使わせてもらっていた。ワイロさえ払えば通話料を払う必要はなかったという。