しかし北朝鮮国民の多くは、「苦難の行軍」の悲劇を忘れてはいない。「あの経験をもう一度、繰り返せるか」と尋ねられたら、皆が皆「まっぴらごめんだ」と答えるはずだ。
(参考記事:「街は生気を失い、人々はゾンビのように徘徊した」…北朝鮮「大量餓死」の記憶)北朝鮮の独裁体制は、比類なき残忍さで知られる。大衆が権力に真っ向から逆らえば、死を免れることはできない。これが、北朝鮮には経済制裁が効かない理由でもある。民衆が体制への不満を募らせても、それを政治に反映するシステムがないのだ。
しかしそれでも、本物の飢えが再現されたならば、座して死を待つより権力に対抗して蜂起する人も少なくはないだろう。