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そしてその最大の原因は、国民生活を顧みず軍事にばかり巨費を注ぎ込む独裁体制にある。それが今になって、女性や子どもの健康の問題を持ち出すのは、国際社会から人権問題でさんざん叩かれたことへの「意趣返し」なのだろう。

そう思いつつも、やはりこの被害調査委の動きは気になる。被害調査委が北朝鮮メディアに初めて登場したのは9月29日のことだ。実は、北朝鮮国内の情報筋がデイリーNKや米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に対し、制裁がいかに大きなダメージをもたらしているかを伝え始めたのは、この少し前からのことなのだ。同月中旬には、ガソリン価格の高騰ぶりが具体的な値動きとともに伝えられ、制裁が北朝鮮経済を締め上げる様子を生々しく感じさせた。

(参考記事:経済制裁が北朝鮮の国民生活を直撃…「核開発は不愉快」庶民感情が悪化

まず間違いなく、金正恩党委員長は経済制裁が国民をいかに苦しめているかを承知しているのだ。その上で、その責任を国際社会に転嫁しているのである。