韓国人観光客が多く訪れる市場では、北朝鮮産スケソウダラは人気商品だった。しかし、禁輸令で商品が入荷しなくなり、売り上げは大幅に減っている。
今でも儲けることができているのは、禁輸令施行前に大量の北朝鮮産スケソウダラを買い込んでいた業者だけだ。彼らは品薄になった今、値段を釣り上げて売っているという。
1860年に当時の清国とロシアが結んだ北京条約により、沿海州の領有権がロシアに奪われたことで、中国は日本海へのルートを失ってしまった。この地域から最も近い自国の海は、700キロ以上離れた黄海側の遼寧省丹東や営口などだ。
一方で、中国、北朝鮮、ロシアの3カ国の国境が交わる地点から日本海まではわずか15キロ。北朝鮮の羅先(ラソン)から中国の琿春までは100キロ足らずだ。通関に要する時間や費用を考えてもなお、北朝鮮産の方が安くて新鮮というわけだ。