金正恩氏が経済制裁をものともせずに核兵器開発を続けるのも、国の富を独占し、庶民の苦難を顧みないからに他ならない。
それにもかかわらず、外相演説にこのような言葉を盛り込むとは、金正恩体制は自分たちの破廉恥さを自ら外部にさらしながら、女性や子供を核開発の「人間の盾」にしているようなものだ。
ただ、我々もまた、経済制裁によって生じる北朝鮮の庶民の犠牲については、慎重に考える必要がある。民主主義がまったく存在しない北朝鮮では、庶民の不満や悲鳴が政治に反映されることはほとんどない。庶民が権力に不満をぶつけようものなら、秘密警察や軍隊に殺されるのがオチなのだ。
(参考記事:抗議する労働者を戦車で轢殺…北朝鮮「黄海製鉄所の虐殺」)そのような国に経済制裁を加え続けたら、庶民の犠牲ばかりが増え、金正恩体制に核を放棄させるという目的はいつまでたっても実現しない展開になりかねない。