北朝鮮の朝鮮中央テレビは、金正恩氏の声明を当日15時(北朝鮮時間)からアナウンサーが読み上げる形で報じた。声明は動画として記録されているはずだが、最高指導者の肉声による罵詈雑言を電波で流すのはさすがに、はばかれたのかもしれない。それとも、より本気度を示すタイミングで公開する狙いか。
金正恩氏の「史上最高の超強硬対応措置」という言葉について、国連総会に出席するために米・ニューヨークを訪れている李容浩(リ・ヨンホ)外相は、「おそらく歴代(最大)級の水爆実験を太平洋上で行うことになるのでは」と述べた。金正恩氏が本気でこのようなことを考えているとするなら常軌を逸している。
ただし、李氏の言い方も歯切れが悪かった。また「国務委員長(金正恩氏)がすることなのでよく分からない」と、なんとなく他人事のような物言いで前置きしている。金正恩氏の個人的怨念に終始した声明に従わなければならない李氏の苦しい思いが伝わってくるようだ。