仮に、日本が独自の核開発に突き進み、米国の大統領が「止めなければ完全に破壊する」と言った場合、何が起きるだろうか。一部では強烈なナショナリズムが巻き起こり、「やるならやってみろ」という声が出てくるかもしれない。しかしもう一方では、「米国と対立してまで、どうして核開発などするのか」という声も出てくるはずだ。そして、両者のうち優勢な側が政治に影響を与え、政府になんらかの選択をすることになる。
しかし、北朝鮮の場合は違う。言論の自由のないこの国では、一般の国民が既定の政策に反対し、「核開発なんか止めよう」などと言うことはできない。言えば、秘密警察や軍隊に殺されてしまうのがオチだ。
(参考記事:抗議する労働者を戦車で轢殺…北朝鮮「黄海製鉄所の虐殺」)また、独裁者である金正恩氏は、国民が米国によって「完全に破壊」される恐怖に震えていても、屁とも思わないだろう。