日本政府はすでに「金正恩体制の変更」に踏み込んでいる

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メディアは、被害者家族の「一日も早く拉致被害者を返してほしい」という切実な声を伝えている。とはいえ、解決するための具体的な手段となると、被害者の言葉や主張を借りて伝えるだけで、急に歯切れが悪くなる。

同じ事は政治家にも言える。被害者救出のメッセージを込めたブルーリボンを胸につけて、政府の拉致問題対策本部が主催する集会やイベントに参加し、啓蒙活動に勤しんではいる。しかし、拉致問題をめぐる状況が日増しに悪化しているこの状況をどのように捉えているのだろうか。

金正恩体制の視点から見た時、核ミサイル開発は一日も早く成し遂げなければなならない課題である。一方、拉致問題を解決することは緊急の課題ではない。「圧力を強めれば北朝鮮は日本に歩み寄ってくる」という都合のいい予想論は、既に破綻している。