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筆者が思うに、彼は5年や10年ではなく、もっと遠い将来において世界情勢に大きな変化が訪れ、それが自分と国の運命を劇的に変え得るとでも考えているのではないか。

いずれにせよ、国際社会は「金正恩氏も実は対話を望んでいる」という前提にこだわるべきではない。彼が、本当に対話を望んでいない可能性だってあるのだ。

むしろ私たちが耳を傾けるべきなのは、北朝鮮国民の声である。あのような情報鎖国で生きていても、平和と安定した生活を期待する感覚は我々とまったく同じだ。彼らがいま、切実に求めているのは何かを知れば、北朝鮮を変化に導くカギが見つかるかもしれない。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記