金正恩氏を暴走に駆り立てる「8月の怨念」と戦争の危機

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2年前に屈辱を味わわされた韓国の朴槿恵前大統領はスキャンダルで転落したが、それで、金正恩氏の「敗北の歴史」が消え去るわけではない。

ここで米国相手に大立ち回りができれば、その「戦果」で過去の恥辱を覆い隠すことはできるだろう。

しかし問題は、米国は韓国よりも遥かに強大な相手であるということだ。

北朝鮮とトランプ大統領の「舌戦」は、2年前の南北の非難合戦を彷彿させる。それと同様に、金正恩氏がまたもや一敗地に塗れる可能性は小さくないだろう。

ただそうなった場合、金正恩氏の「逆恨み」がどのような形で爆発するのか、それもまた気になるところだ。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記