しかも、正恩氏がいくらクラクションを鳴らしても、軍の運転手は気にする風もない。正恩氏の愛車は、一目で「乗っているのはタダ者ではない」とわかる高級ベンツなのだが、軍の運転手も暗いトンネルの中、バックミラー越しでは車種が判別できなかったのかもしれない。
(参考記事:金正恩氏の「高級ベンツ」を追い越した北朝鮮軍人の悲惨な末路)それに、正恩氏が最高指導者になる前の話である。その当時、北朝鮮はすべてに軍事が優先する「先軍政治」の真っただ中で、保安員(警察官)も軍の車両を取り締まることはできなかった。クラクションを鳴らされた運転手も、「軍を何だと思っていやがる」ぐらいに考えたのかもしれない。
これに、正恩氏が切れた。