李氏は生活費を工面するため、数十回にわたって国境の川を越え、クズ鉄や薬草を中国に密輸していたが、それが保衛省に発覚した。担当の保衛員と保安員(警察官)は、李氏に対して繰り返し性的暴行を加えた。弱い立場の女性に「性上納」を強要する悪習は北朝鮮社会の至るところに見られるが、このケースも同種のものと言える。
(参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為)不法越境の事実を保衛員に捕まれたら、生殺与奪を握られたも同然である。保衛員らはこのような場合、罪状を軽くするのと引き換えに容疑者をしゃぶり尽くすのが普通だ。
(参考記事:口に砂利を詰め顔面を串刺し…金正恩「拷問部隊」の恐喝ビジネス)李氏は保衛員から要求されるままに、2015年10月からスパイとして行動するようになった。