国境を流れる鴨緑江を挟んで向かい合う両都市は、水源地や水道システムの一部を共有している。北朝鮮の恵山水道暖房事業所は、毎年中国の長白県で下水と水源地の水路の補修工事を行うなど、中朝両国が共同でメンテナンスを行ってきた。
今年は、鴨緑江の氷が溶けた4月末から工事が始まった。ところが、6月中旬から、北朝鮮の労働者が中国に入国できなくなってしまい、工事は中断している。
冬季には極寒と積雪により、水源地付近の水の流れが変わってしまう。そのため、水路の補修は水道システムの維持に欠かせない工事だ。中国当局は、制裁を誠実に履行しているというアピールを国際社会に行うためなら、長白県の住民の生活に支障が出ることもやむを得ないと見ているのだろう。