「カネがないなら入院させない」…北朝鮮、医療崩壊の悲惨な現実

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「あなたのようなかわいそうな人が1人、2人しかいないとでも思っているのか?」
「栄誉軍人だからと言って、何でもタダになると思ったら大間違いだ」

かつては国家から優遇されていた栄誉軍人も、90年代に北朝鮮を襲った大飢饉を通じて、厄介者と見なされはじめ、社会的に疎外されている。こうした背景から、一部の栄誉軍人は半グレ化し、松葉杖組と称され市場などで傍若無人な振る舞いをしているという。

(参考記事:北朝鮮の半グレ集団「松葉杖組」とは?

金正日氏は2009年、「人民の文化休養地の運営をうまくすることについて」という方針を下しているが、このエピソードは、正日氏の方針がまったく実行に移されていない現実を物語っている。拝金主義の前では、最高指導者の方針ですら無視されるのだ。そのため、金正淑療養所の利用者はトンジュ(金主)と呼ばれる新興富裕層や幹部に限られるという。