また、この写真が公開された30日は、世界禁煙デー(5月31日)の前日だ。さらに、朝鮮中央通信は30日、禁煙補助薬に関する記事を配信した。それによると、「禁煙活動が活発化している朝鮮で最近、効能の高い禁煙製品であるニコチン絆創膏が新しく開発された」という。まさに「ニコチンパッチ」のことである。
同記事によると、北朝鮮のニコチンパッチは、「背中と腕、足をはじめ身体の各部位に絆創膏を張る方法で使用する」とされている。
正恩氏が禁煙しようがしまいが、どうでもいいことのように思えるかもしれないが、核とミサイルのボタンを握る独裁者の健康問題に繋がるだけに、注目が集まるのも当然だろう。もしかすると、正恩氏はそれを知ったうえで、自国で製造されたニコチンパッチを胸チラで見せながら、禁煙にチャレンジしていることをアピールしているのかもしれない。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。