北朝鮮の協同農場は、社会主義的農業集団化の典型的な失敗例だ。
種子や農機具が不足している上、熱心に働いてももらえる給料は変わらないため、農場員たちのやる気が起きない。彼らは収入に直結する個人耕作地に力を入れ、協同農場の仕事はおざなりにしている。インセンティブ制度である「圃田担当制」が導入されたが、約束されていた分配が行われないなど、成功しているとは言い難い状況だった。
それが最近になって急速に変わりつつあると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の情報筋が伝えてきた。変化のきっかけとなったのは、中国からの投資だ。
(参考記事:「中国に見捨てられたら一巻の終わり」北朝鮮で広がる不安)咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、道内の協同農場の35%が中国資本との合弁で営まれている。昨年はそのすべてが豊作となり、注目を集めているという。