また、中国当局による摘発と強制送還の恐怖が小さくなれば、脱北に踏み切る人も増えるだろう。そうすれば、北朝鮮国内と外部世界をつなぐルートが増え、北への情報流入も勢いを増す。現状、北朝鮮当局は恐怖政治をもって外部情報を遮断しようとしているが、それも追いつかなくなるかもしれない。
(参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…)そのような可能性を承知の上で、中国が脱北者の強制送還を止めるのだとすれば、それは北朝鮮に対する、経済制裁以上に厳しい姿勢の表れと見ることもできる。つまり、中国が金正恩体制を見放す決定的な兆候とも言えるわけだ。