情報筋によると、市場経済の拡大による現金収入の増加で、韓流ドラマなどの違法映像物の視聴が、農村地域にまで広がっている。
この地区の農家は、自宅の庭や裏山を耕し、個人耕作地にして、様々な作物を栽培している。秋に収穫した穀物は保存しておき、値上がりする春を待って市場で売る。手にしたカネで、ノートテルやソーラーパネルと共に、韓流ドラマが保存されたUSBメモリを購入し、自宅で楽しんでいるのだ。恵山からわざわざ売りに来る業者もいるという。
韓流ドラマが保存されたUSBメモリは2ギガが30元(約470円)、5ギガが100元(約1580円)で売られている。これらのUSBは中国製がほとんどだ。韓国製品の販売、所有が禁じられているため、韓国製のUSBメモリの所有が見つかれば、罪が重くなり、ワイロを払っても見逃してもらえなくなるからだ。
(参考記事:美貌の女性らが主導…北朝鮮芸術家「ポルノ撮影」事件の真相)高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。