北部山間地にあるこの地域は、軍需工場が密集しており、移動が非常に厳しく制限されている。通行証がなくても多くの地域へ訪問が可能な平壌市民でも、慈江道だけは自由に訪れることはできない。他地方の人との結婚すら制限されている。
国連世界食糧計画(WFP)は北朝鮮全域の児童や妊婦に対して食料供給を行っているが、慈江道だけは例外だ。WFPの職員が慈江道への立ち入りを認められないからだ。
(関連記事:北朝鮮の山間部、子どもの3人に1人が栄養失調)このような閉鎖性のため、北朝鮮全域で広がっている市場化の波に乗ろうにも乗れず、人々は軍需工場からの配給に依存して生きている。