こうしたタワーマンションの建設によって経済が潤えばいいのだが、今の北朝鮮の経済事情からすれば分不相応と言わざるをえない。なによりも、重要な記念日や大きな政治的行事の場で成果として発表するために、ハコモノ作りの工期を無理やり短縮する突貫工事「速度戦」のため、建設の過程で事故が多発している。
朝鮮労働党の機関紙である労働新聞は先月1日、崔龍海(チェ・リョンヘ)氏が、黎明通りの建設現場を視察したと伝えた。北朝鮮メディアが正恩氏と内閣総理以外の個別幹部の視察を報じるのは、極めて異例だ。そして、内部情報筋の話によれば、この視察は、現場で起きた労働者30数人の死亡事故の収拾を図るためだったという。以前から、北朝鮮ではこのような大規模事故は多発している。
(参考記事:死者数百人の事故が多発する北朝鮮の「阿鼻叫喚列車」 )空から汚物が
過去には高速道路の工事現場で、橋が崩落し500人が死亡する事故が起きた。