彼は2ヶ月間、領事館で過ごした。小さな部屋でゲームをしたり、マシンでランニングをしたりして日々を過ごした。最初は口数が少なかった彼だが、領事館職員と徐々に打ち解けていった。職員は、彼に対してきめ細やかな対応を行なっていたが、心配しないように家族の話は避けていた。しかし、滞在が長期化するにつれ、彼の不安は高まっていった。
新しいパスポートを得て、韓国に向かうことができたのは、領事館に駆け込んでから2ヶ月以上経った9月末のことだった。外交筋は、核問題を巡り中国と北朝鮮の関係が悪化していたことが、彼の韓国行きにとってうまく働いたと指摘した。
家族の期待を一身に背負って韓国にやって来た彼は、さらに勉学に励むため、3月から大学に進学することになったと同紙は伝えている。
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