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そしてある日、リ君は中学校の数学教師をしている父親に「韓国に行きたい」と伝えた。すると父親は次のように答えたという。

「心配せずに行け」

さらに父親はリ君に200ドル(約2万3000円)を握らせた。その背景には、テレビを見て韓国の豊かな暮らしぶりを見ていたことがあったのだろう。また、子どもの将来を考えた時、北朝鮮にいるよりも韓国へ行った方が息子も才能を発揮出来ると思ったのかもしれない。

香港に着いたリ君とチームメートは、パスポートを取り上げられ、厳しい監視のもとに置かれた。