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正男氏は、若年の正恩氏が見ることのできなかった時代の祖国と父・金正日総書記の姿を知る人物だ。父とともに様々のものを見聞きし、多くの言葉を交わしている。つまり正男氏は、正恩氏の知らないことをたくさん知っているのである。

北朝鮮の指導者は、先代の思想と教えを独占的に解釈することで独裁を保っている部分がある。そういう意味で、正恩氏にとって正男氏は「煙たい存在」だったと思われる。だからこそ、「権力とは距離を置く」と繰り返し表明しながら、弟から敵視され続けたのではないか。

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一方、ハンソル氏には父親のような経験はない。