「幹部は私の腹にノコギリを当て切り裂いた」脱北女性、衝撃の証言

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韓国で2月6日にオンエアされたトーク番組「いま会いに行きます」(チャンネルA)に、北朝鮮の18号管理所(収容所)に24年間にわたりとらえられていた脱北女性、パク・クモクさんが登場。収容所で受けた凄惨な虐待について語った。

同番組は、北朝鮮から脱出し韓国で暮らす女性が多数出演するもので、今回が268回目の放送。番組ではこれまでも、北朝鮮の内部事情が生々しく語られてきたし、ほかでも様々な証言が出ているが、収容所経験者がテレビで直接語る話はやはりショッキングだった。

(参考記事:刑務所の幹部に強姦され、中絶手術を受けさせられた北朝鮮女性の証言

パクさんの証言に触れる前に、北朝鮮における収容所の現状について説明しておこう。北朝鮮で現在も運営が確認されている収容所は14号、15号、16号、18号、25号の5カ所がある。その役割は、金日成主席から金正恩党委員長に連なる金一族の独裁維持に不都合とみなされた人物(政治犯)を捕らえ、その一族郎党を社会から隔離することにある。

ただ、首都・平壌から遠くない平安南道(ピョンアンナムド)北倉(プクチャン)郡にある18号管理所は、1987年には事実上、政治犯収容所としての機能を失い、教化所(刑務所)に転用されたとの説もある。

ただ、パクさんの証言を聞いてみると、内部で行われている虐待は政治犯収容所にも劣らぬものだ。

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パクさんは1才のとき、軍人だった叔父が部隊から脱走したことで罪に問われ、家族や親戚とともに18号管理所に連行された。その後、外の世界も知らぬまま、長期にわたり収容所生活を送った。

その体験の詳細については別途、デイリーNKジャパンで改めてインタビューしようと準備中だが、一部を番組から引用すると、次のような内容だった。

「収容所の敷地内にある炭鉱で働かされていたとき、作業中にミスをしてしまったのです。すると幹部(現場監督)は、その場にあったノコギリと金槌、斧などで私をメチャクチャに痛めつけました。ノコギリの歯を腹部に当てて引くものだから、衣服が裂け、皮膚と肉も切り裂けました」

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日本のヤクザ映画にだって、こんな場面はそうそう出てこない。それを、女性に対してやるのだ。それでいて、痛めつける相手が決して死なない程度に暴力を振るうというのだから、いかに手馴れているかがわかる。

北朝鮮の収容所では、こうした行為が現在もなお続いている。

米国には人権軽視のトランプ政権が誕生し、韓国には金正恩体制に融和的な「左翼政権」が生まれそうな雰囲気だが、近年続いてきた国際社会における北朝鮮の人権問題追及を、絶対に後退させてはならない。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

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