612常務は咸鏡南道(ハムギョンナムド)の検閲を行う際、咸興(ハムン)市の党委員会責任委員長と勤労団体委員長の家の家宅捜索を行なった。その結果、党委員会責任委員長は更迭に追い込まれた。ところが、本来なら必要ではるはずの組織指導部の許可を得ていなかったことが判明。本来なら「党に対する挑戦」として厳しく処罰されるはずの手続き無視、越権行為を平然と行なったことに対して、党幹部から激しい反発の声が上がった。保衛省は後日、金正恩氏から厳重な警告を受けた――。
保衛省は金正恩氏の指示に基づき、党や軍の主な幹部の粛清・処刑を実行してきた。トップの金元弘氏が、ほかの幹部たちが恨みを買っていたとしても不思議ではない。
(参考記事:謎に包まれた北朝鮮「公開処刑」の実態…元執行人が証言「死刑囚は鬼の形相で息絶えた」)また一方では、他省庁の利権を強奪したことで恨みを買ったとの見方もある。