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上記の賃金はあくまでも1日8時間働いた場合のもので、実際にはさらに多くの残業代が支払われている。また、中国企業側は労働者の住居費や食費、北朝鮮からやって来た管理者にも給料を払わなければならない。

中国の労働者を雇うのと比べて、節約できるコストは2割程度。コスト面で北朝鮮労働者を雇うメリットはなくなりつつある。一方で、欠勤や離職が非常に少ない、安定した労働力としての北朝鮮労働者は、依然として魅力的なようだ。

一方、大きなリスクも存在する。その一つが脱北だ。労働者が一人でも脱北すれば、北朝鮮の保衛指導員(秘密警察官)による厳しい検閲(監査)が行われ、労働者全体に動揺が広がり、生産に大きな支障をきたす。

さらに、長時間労働、外出も許可しないほどの厳しい管理、賃金のピンハネなどで、国際的な人権問題となっているため、中国政府が今後北朝鮮労働者の雇用を禁じる決定を下す可能性もなきにしもあらずだ。