それが今、北朝鮮で起きている。しかも金正恩氏は、現状に対し全くの無策であるばかりか、アベコベにがっちりと組み込まれている始末だ。
白書では「最高指導者から当局の核心幹部たち、そして地域の党と行政、経済単位の幹部に至るまで、そして一般住民のうち『トンジュ』と呼ばれる新興富裕層まで、北朝鮮全体が不正腐敗と略奪システムでつながっている」と指摘する。
金正恩氏の統治の原資が、さまざまな国家機関に分け与えた権力にあり、各機関が権力を用いて荒稼ぎした現金が「統治資金」として上納されるシステムを指している。上納金ノルマを満たせなかったり、反抗の兆しがある場合に待ち受けるのは「粛清」だ。