北朝鮮のカレンダーに客室乗務員が初登場…金正恩氏の指示か

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北朝鮮で制作されたカレンダーに、同国航空会社(高麗航空)の客室乗務員(CA)の女性らが登場した。韓国メディアによれば初めての例だという。

近年、北朝鮮は海外からの観光客誘致に熱心であり、これもPRの一環であるのかもしれない。

正恩氏の「ヘンな写真」も

金正恩党委員長が、観光振興でかかげた目標はデカイ。2017年には現状の10倍以上となる年間100万人。そして20年までには200万人だそうだ。「この情勢で、そりゃ冗談だろう」との声があちこちから聞こえて来そうだが、正恩氏はいたって真面目なようで、あれこれ細かい手も打っている。昨年には、直々に指示を出し、CAの制服をイメチェンさせている。

もしかしたら、カレンダーにCAを登場させたのも正恩氏のアイデアかもしれない。正恩氏は、北朝鮮のメディア戦略を直接統括している可能性がある。そうでなければ、本人の「ヘンな写真」が次々と公式メディアに掲載されるはずがない。

女子大生を拷問

しかしそれにしても、仮に外国人が大量に訪れるようになったら、困るのは正恩氏自身ではないのだろうか。

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韓国の情報機関、国家情報院の報告によれば、北朝鮮では海外からの訪問者が増えるにつれ、資本主義の影響が浸透。国民の金正恩体制に対する忠誠度は祖父である故金日成主席の時代に比べ、10分の1にまで減っているという。

そもそも、海外から韓流ドラマや外国映画が密かに流入していることに神経を尖らせ、女子大生まで拷問させるほどの極端な取り締まりをさせているのは正恩氏自身だ。

もっとも、北朝鮮の観光客誘致が大々的な成功を収めることはないだろう。大量の観光客を呼びたければ、まず候補となるのは同じ民族である韓国人だが、現在の情勢下ではまず難しい。

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そして何より、1998年に韓国が始めた金剛山観光では、ツアー客の女性を朝鮮人民軍兵士が射殺。そのせいでツアーが中止に追い込まれるや、北朝鮮当局が韓国側の主催企業の資産を一方的に没収する出来事もあった。

そんな状況が残る国へ気軽に団体ツアーに行けるのは、共産党独裁の下で生まれ育ち、勝手知ったる中国人ぐらいではないだろうか。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記