国連の統計によると、世界195の国や地域のうち、死刑を行っているのは56に過ぎず、死刑廃止は世界的な流れとなっている。死刑を頻繁に執行するだけでも「人権侵害国」との批判にさらされるが、公開処刑となればなおさらだ。世界で公開処刑を行っているのはイラン、サウジアラビア、ソマリア、シリア、アフガニスタン、イエメン、そして北朝鮮の7カ国に過ぎない。
ちなみに韓国には死刑制度は存置されているが、1997年12月以来、執行は停止されており、事実上の死刑廃止国となっている。凶悪事件が起きるたびに、国内では「死刑執行を再開せよ」との声が上がるが、国際的な圧力を恐れてか、死刑執行の停止は続いている。
(参考記事:「家族もろとも銃殺」「機関銃で粉々に」…残忍さを増す北朝鮮の粛清現場を衛星画像が確認)高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。