韓国統一省は11月27日、脱北者の「社会統合型」の定着に向け、雇用拡大を柱とする支援策を発表した。脱北者の社会進出を支援するため、中央行政機関や地方自治体、公共機関で脱北者の雇用を拡大。民間企業にも脱北者の採用を促す方針だという。
また、生活安定と自立に向けた支援金も、現在の1人当たり定着金 700万ウォンと住居支援金1300万ウォンから、物価上昇率などを反映して段階的に引き上げる方針だ。ほかにも、教育、就職、結婚、養育、家計など、韓国生活への適応に向けた支援を専門家と共に行う計画だという。
そのような施策が成果を上げ、命がけの脱北が少しでも報われることを期待したい。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。