さらに、被災地の市や郡の人民委員会(役場)には「住宅配定常務」という部署があり、保衛部(秘密警察)や保安署(警察署)と共同で、対象者の調査を行い、脱北者の家族は1回目の割り当て対象から除外している。
金正恩氏は、脱北行為を厳しく取り締まる方針を打ち出しており、彼の意向が反映されていることは間違いない。つまり、「体制に忠誠を尽くせばいい思いができる。しかし脱北者の家族には辛い目に遭わせてやる」という見せしめの意味が込められている。
とはいえ、差別的な待遇を受けた人々は逆に「もうこの国に未来はない」と諦めて、脱北の機会を狙う。