庶民が作りだした市場が発展し、それと同時に急速に資本主義化が進む北朝鮮では、どの家庭でも働けて稼ぎがあればあるほど有り難い。逆に言えば、稼ぎがなければ居場所を失う。
代表的なケースは、稼ぎの少ない夫。利益のない国営企業に勤める男性の場合、給料はコメ1キロを買えるか買えないかぐらいの少額だ。とても生計を維持できないため、女性たちは市場で商いに励み、一家の大黒柱として薄給の夫と家族を養う。それにもかかわらず、夫の方は、大して働きもせず、家ではタバコをふかしながらゴロゴロする。酒を飲んではくだをまく。