「保安員が、あるトンジュ(金主、新興富裕層)の家を家宅捜索した。ところが、いくら探しても密輸品は見つからなかった。すると頭にきたトンジュは『令状なしのガサ入れは違法だ。人権侵害じゃないか』と大声で騒ぎ保安員に反抗したので、町中の人に知れ渡ってしまった」
北朝鮮で、一般の国民が権力に対して抗議するなど、かつてなら命がけだった。実際、当然すぎる主張をしただけで、虐殺の憂き目に遭った人々もいる。
(参考記事:抗議する労働者を戦車で轢殺…北朝鮮「黄海製鉄所の虐殺」)保安員は、宿泊検閲を利用してトンジュの家を狙い、家宅捜索で難癖をつけてカネを巻き上げることが少なくない。