わいろの額で「拷問メニュー」が変わる…北朝鮮「虐待収容所」の内幕

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中国から北朝鮮に強制送還された脱北者30人が、数ヶ月間も拘留され、せい惨な拷問を加えられていることが明らかになった。

取り調べで「性暴行」も

北朝鮮の拘禁施設で、過酷な人権侵害が常態化していることは、国連などの報告によって既に明らかになっている。

平安北道(ピョンアンブクト)在住のデイリーNKの取材協力者B氏によると、この30人は4月に中国公安に拘束され、北朝鮮側に強制送還された。国家安全保衛部(秘密警察)は、彼らを新義州(シニジュ)市の拘留施設に抑留したが、悲惨な状況に置かれているという。

「食べ物は、砂が混じったトウモロコシの粉に草を混ぜたものがわずかに支給されるのみ。保衛部は、空腹で動けなくても、容赦なく強制労働を科す。もし、働けなければ他の拘禁者に袋だたきにさせる」(B氏)

拷問された女子大生は…

B氏によると、ある女性は、「供述が不十分だ!」という理由で拷問され、歩けなくなった。しかし、治療も受けられず、ほったらかしにされた。こうした事件が起きても、拘禁施設の管理者の責任は問われない。すると、さらに拷問をはじめとする人権侵害に拍車がかかるという悪循環が進んでいる。

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今年4月、女子大生が韓流ビデオのファイルを保有していた罪で女子大生が拘束され、実に痛ましい結末を迎えた。理由の1つは、拘禁施設で拷問が常態化していることだった。

女性虐待収容所の理由

秘密警察は、拷問だけではなく「ある脅し」まで加えているとB氏は語る。

「秘密警察は取り調べで、『ここより厳しい収容所に行きたくなければ金を出せ!』と露骨にワイロを要求する。そのお金が、韓国に在住する親戚から送られてきたとしても黙認する」(B氏)

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治安機関のこうしたやり口を見ていると、まるで外貨稼ぎのために、拘禁制度や拷問を活用しているかのようだ。

つい先日、北朝鮮当局が、教化所(刑務所)の女性収容施設を大幅に拡張しているが明らかになった。実は男性以上に女性の脱北者は、中国でも韓国でも稼ぎ頭だ。拡張理由は、女性たちの財布を狙い撃ちにするのが、真の狙いだと筆者は見る。

法を守ることよりも、金を稼ぐことを優先するーーこれが、北朝鮮治安機関の正体だ。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記