駐英北朝鮮大使が家族もろとも「見せしめ」か…本国から召還命令

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祖父は元抗日パルチザンで、党政治局中央軍事委員会、護衛司令部司令官、国防委員会副委員長を務めた呉白龍(オ・ベンリョン)氏、叔父は呉鉄山(オ・チョルサン)氏だ。

実は、この琴鉄、鉄山氏兄弟は、今月はじめに降格されたという分析が出ていた。時期的に見て、テ公使亡命との関連性にも注目される。そして身内から亡命者を出してしまったことによって、パルチザン家系として、金正恩体制を支えてきた2人の今後にも、暗雲が立ちこめはじめた。

テ公使亡命事件をきっかけに北朝鮮当局は、海外に派遣している外交官やビジネスマンたちへの締め付けを強化するだろう。しかし、いくら統制を強めようと、エリートらが、金正恩体制から逃げ出すことを決定的に食い止める術はない。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記