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その後、日本人「原敕晁」として対南工作のため、韓国へも渡航し工作活動に従事していた。

辛容疑者は、原さんを拉致する過程においては、朝鮮総連に所属する商工人の李三俊(リ・サムジュン)と李吉柄(リ・キルビョン)が幇助したことと、日本と韓国で北朝鮮工作員として暗躍していたことを自供していた。事件の概要に関しては、当時、朝日新聞が最も詳細に報じた。しかし、日本人が拉致されたという極めて深刻な問題にもかかわらず、社会的に大きな関心を引くことはなかった。

辛容疑者が逮捕されてから22年後の2002年9月15日。日朝首脳会談において、故金正日氏は日本人拉致を認め謝罪し、ようやく日本人拉致問題の存在が明らかになる。しかしその後、一部拉致被害者の帰国は実現したものの、現在に至るまで拉致問題は膠着状態だ。

(参考記事:検証「日本人拉致問題」を振り返る

抵抗したら殺せ

北朝鮮の工作活動として行われた日本人拉致の闇は深い。