人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

咸鏡北道の別の情報筋によると、住民たちは、禁止の理由について知りたがっているという。「大紅湍郡責任秘書」と「ある女学生の日記」は、主演俳優が処刑された張成沢氏の側近だったということが禁止の理由という話が広がっている。

ここ数年の韓流ブームですっかり目が肥えた北朝鮮の人々は「北朝鮮の映画など見ろと言われても見ない」と言い、今回の禁止令をきっかけに、若者や幹部の間では、韓流映画や外国映画を見ようとする雰囲気が高まっている。

ちなみにチャールズ・ジェンキンス氏が出演した「名もなき英雄たち」は、1978年から1981年にかけて、20回シリーズで制作された。朝鮮戦争時に暗躍したスパイを描いたもので、思想教育的な内容も少なく、まるで外国映画みたいだと人気を博した。しかし、権力闘争に巻き込まれ、監督は地方へ追放、脚本家はスパイ容疑で逮捕され、収容所で自殺したといういわくつきの作品でもある。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記