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その一環として、各地域の洞事務所(末端の行政機関)は、各人民班(町内会)に対して「住民から黎明通り建設に必要な『忠誠の資金』(上納金)を7月までに徴収せよ」との指示を下した。その額は1世帯あたり50ドル(約5280円)。市場でコメが80キロも買える額だ。

外食で数百ドルを使うような高級幹部、貿易会社の関係者、トンジュ(金主、新興富裕層)にとっては、はした金だ。「カネで忠誠心が買えるならお安いもんだ」と次々に支払っている。

一方、その日暮らしをしている人々にとって50ドルは簡単にねん出できる金額ではない。人民班長から「カネを払えなければ働け」と言われ、商売を休んで泣く泣く現場へ向かい、マンション建設に従事している。市民の間からは「まるで封建時代に戻ったようだ」との声が聞かれるという。

需要無視で値崩れ

また、「人民から絞りとったカネで資材を輸入して、軍人や青年を強制的に動員して建設する黎明通りは『涙の通り』になる」などといった声が聞かれるという。