国情院の指令を受けた男性らは、昨年から身分を偽り女性従業員らに接近。韓国の政府や体制を批判するふりをして彼女らを信用させた。そして彼女らを市場に呼び出し、事前に準備しておいた乗用車数台に乗り換えさせながら、旅券もないまま中国国境を越え、ラオスとタイを経てソウルへと連れ去った――。
韓国当局が彼女らの亡命経緯について明かしていないため、ここに真実がどの程度含まれているのか(あるいはまったくの嘘なのか)検証するのは難しい。
ただ、記事の内容をよく見ると、不思議な点に気づく。男性2人と女性2人は旅券番号が写真に添えられている。それを見る限り、男性2人は韓国国籍であり、女性2人は北朝鮮国籍だ。不思議なのは、旅券番号ではなく身分証番号が添えられた残りの男女だ。番号を検証したところ、男性は黒竜江省、女性は吉林省出身の中国人なのだ。
渦巻く謀略
朝鮮族をはじめとする中国人男性が、脱北支援などに関わるのは珍しくない。しかし、中国の女性が北朝鮮女性と一緒に韓国へ亡命し、なおかつ韓国がそれを受け入れ、そのことを北朝鮮が非難するとは、いったいどういうことなのか。