「金正恩を殺せ」韓国軍内で強まる衝動

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だが、空軍が新たに重要な任務や戦略を立案する場合、支持世論づくりは欠かせず、それを後押しするのが有力OBの加わる予備役団体である。つまり、「金正恩を殺せ」とする衝動が、韓国軍内でじわじわと広がる空気が感じられるのだ。

金正恩氏は、こうした動きに明らかにナーバスになっているのだが、それも当然のことではある。

(参考記事:北朝鮮「先制攻撃」声明に見る金正恩氏の「メンタル」問題

日本の報道だけを見ていると、相手に対して強硬なのは北朝鮮だけのように見えるが、韓国軍部にも「イケイケ」な空気はある。昨年11月、延坪島砲撃から5年目の追悼式典には朴槿恵大統領がビデオメッセージを寄せ、軍に対し「完璧な軍事対応態勢を確立」せよと述べた。式典に韓国大統領がメッセージを寄せるのは初めてで、北朝鮮への強気な姿勢を求める世論に配慮したものだ。

韓国側のこうした空気は、北朝鮮側が仕掛けた地雷爆発に端を発した8月の軍事的緊張を受けて高まってきた。当時、韓国側は自軍兵士の身体が地雷で吹き飛ばされる映像を公開。韓国国民の愛国心は高揚し、それに支えられた韓国政府との「チキンレース」で、金正恩氏は無残に敗北した。

(参考記事:【動画】吹き飛ぶ韓国軍兵士…北朝鮮の地雷が爆発する瞬間

韓国軍内部では今後しばらく、北朝鮮に対して強硬な声が大勢を占めることになるのではないか。