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ヤミ市場で売られている商品は主に生活物資だが、そこではやはり「違法なビジネス」の温床となっていく。さらにヤミ市場で売られる商品のほとんどが中国製。つまり、中国との交易が拡大することによって、様々な利権とシノギが生じるのは不可避だ。

代表的な違法ビジネスは、やはり覚せい剤の密輸。北朝鮮で製造された覚せい剤――通称オルム(氷)――は、以前は中国が主な取引先だった。中国を通じて、日本やロシア、その他の国々に流通していたのだ。

しかし、中国側が覚せい剤を国家的に問題視したことにより、北朝鮮当局も取締をきつくせざるをえなくなり、密輸も難しくなった。

ヤクザの暗躍

その結果、余剰した覚せい剤が、今度は北朝鮮国内で出回ってしまう。そもそも医薬品不足の北朝鮮では、覚せい剤は鎮痛剤のような感覚で一般の人々の間でも使われている。