現地の消息筋は本誌の取材に対し「長白県では中国人がおびき出して殺害したとの噂が流れているも、現在、特別厳戒態勢が敷かれるなどの動きは見られず、表向きは平穏だ」と現地の様子を語った。
また、事件については「公安当局は政治的な目的ではなく、単なる物盗りの可能性も含め捜査中だが、遺体が発見された地域は地元の人間も近寄らない無人地帯であり、やはり何かしらの理由でおびき出された可能性も捨てきれない。ただ、(犯人が北朝鮮から来たとして)明るい時間帯に国境を越えるのは容易ではない」との見解を示した。
中朝国境地帯ではここ最近、中国側の渡江(脱北)取締りが強化されている。北朝鮮との「最前線」で発生した事件である上、6日には北朝鮮で34年ぶりに開かれる朝鮮労働党第7回大会が控えており、国境には張り詰めた空気が漂っているという。